家族写真は心の支え

はじめに

私はいま海外で働いています。日本での会社勤めのあと、夢を叶えるために海外への1年間の留学を決意しました。初めて日本を出るときに留学経験者からおすすめされて持っていったのが家族写真です。ここでは海外留学中に持っていった家族写真に関する私のエピソードについてお話しします。

1)スーツケースで海を渡った家族写真

私は日本でもともと仕事をしていたのですが、いつかは海外で英語を勉強してみたいとの夢がありました。ついに会社を辞めて海外で留学をする決意をし、色々なところから情報収集をし行動を始めました。参考にしたのは留学前に行ったセミナーです。そこでは、留学の経験者の人と話す機会があり、どの国が自分に向いているのか、現地で効率的な勉強方法はなにか、どんな荷物を持っていくと便利かなどの話が詳しく聞けました。1年分の荷物をたった1つのスーツケースに入れて持って行くので詰められるものは限られています。私はあまり荷物の整理が得意ではないので、人の話を参考にそのままアイディアを拝借しようと全てメモをとっていたのですが、人によって言うことがばらばらで荷物一つにも個性が出るものだなと感心したのを覚えています。

しかし、複数の人に共通する持ち物がありました。それが家族写真だったのです。

自分の中で家族写真を持ち歩くイメージがまったくなかったのではじめはとても戸惑いました。学生という年齢でもない自分がいまさらホームシックになるとはとても思えなかったし、本当に必要なのかな?荷物がかさばってしまうだけじゃないのかな?と疑い半分でしたが、あまりにも色々な人がとても役に立ったと力説していたのが気になり自分でも持っていこうと決めました。勉強道具や着替え、生活必需品などで殆ど埋まってしまったスペースのなか、折れ曲がらないようスーツケースの奥の方へ布でくるんで大事に詰めたのは家族写真でした。

2)家族写真が留学中の心の支えに

私は現地の空港に着くまでは自信満々で全くそれから先の生活のことを心配していませんでした。しかし、現地へ着いた途端信じられないほど急に心細くなってしまいました。自分の知り合いはこの国に一人たりともいないのです。家族も友人も同僚も誰もいないと気付いたときの不安感は思った以上に大きいものでした。

留学は語学習得が主な目的なので、事前にもちろん勉強はしていました。しかし、いくら勉強をした上で渡航したとしても、初めのうちはやはり会話力が拙いので自分の伝えたいことを思う通りにうまく表現することが出来ませんでした。人種差別も少なからずあります。ときには鼻で笑われ馬鹿にされることもありました。はじめの1ヶ月ほどは必死な毎日に加え、毎日悪夢で飛び起きるというような生活が続き、本当に心が折れてしまいそうになるほどでした。そんなときにはきまって家族写真を見返しては自分を励ましていました。

家族写真を見ると、自分を快く海外へと送り出してくれた家族が思い出されました。空港で見送ってくれたときに涙ぐんでいた母親、空港の到着時間に合わせて慣れないパソコンを使って長文のメールメッセージを送ってくれた父親、留学先で役に立ちそうな情報をまとめてくれた弟・・・家族一緒にいなくても写真を見返せば家族と繋がっていられるような気がしたのです。家族写真は現地についたその日にスーツケースから取り出し、部屋の机に飾っておきました。正直日本を離れるまではそこまでまじまじと眺めたことのなかった家族写真でしたが、留学中には何度手にとって眺めてみたことでしょう。毎日の生活を豊かにしてくれた宝物です。出立前に経験者の人たちの言っていたことは本当だったのだとしみじみ思いました。

3)家族写真は家族の心の支えにもなっていた

私はもともと会社勤めになったのを機に実家から出て長年の一人暮らしをしていました。年に数回しか実家に帰っていなかったので今回海外に出るにあたって、両親は気に留めないだろうと気軽に考えていました。しかし、あとから弟に聞いたところによると両親は私の海外留学にあたって大変気を揉んでいたようです。なぜなら日本国内とは違い、どうしても物理的な距離があるので本当に遠い世界へ行ってしまったような気になってしまっていたらしいからです。

また、時差の問題で頻繁に連絡が取れないということもありました。朝こちらで起きた時間は日本では夜で、日本でちょうどよい時間にはこちらが夜遅い時間ということであまり気軽に電話できませんでした。もちろん何回か電話はしていたのですが、両親はこちらの時間や勉強のことに気を遣いなるべく電話をしないように我慢していてくれていたようです。そんなときに両親が見つめていたのは家族写真だったそうです。私は両親がそこまで心配してくれていたとは思いもよらず、その話を聞いたときにはびっくりしました。私も家族が恋しいときに家族写真を手に取り心の支えにしていましたが、同じタイミングで家族もまた家族写真を見て心の支えにしてくれていたのです。

4)家族写真は異文化交流のきっかけにも

留学先では現地のホームステイ先にお世話になっていました。留学先のご家庭はとても暖かいファミリーで、そこのお宅にも家族写真が飾られていました。写真を大事にするのは世界共通なんだなと思ってほっこり暖かい気持ちになったことを覚えています。はじめましての後に、両親は元気にしてる?どんな兄弟がいるの?などの質問に家族写真を見せながらあれこれと話をしました。言葉だけだと会話ですぐ終わってしまいますが、やはり写真があると視覚的にも伝わりやすいのでより具体的な話をすることができ、ファミリーとの話が弾んで楽しめました。また、長く滞在しているうちに、自分以外にも同じホームステイ先に留学生が何度か入れ替わりでやってきたのですが、そのたびに家族写真を見せながら家族のことを説明していました。このことの繰り返しで自分のこと、家族のことを人に紹介するのがいつしか得意になった気がします。人種が違うと顔や体型はもちろんですが、服装や髪型、写真の撮り方なども変わるので人によって違った視点で面白がってくれます。その度に私も新鮮な気持ちになり、互いの文化を話し合うことが出来ました。今になって思うと家族写真が異文化交流のきっかけにもなってくれたのです。

5)また新たな家族写真を撮りたい

個人的に留学は人生の転機となりうる大きなものでした。それは勉強だけにとどまりません。日本にいたらなかなか感じられなかった家族のありがたみも離れてみてよく分かりました。そんな私はいま留学を検討しているという知り合いに家族写真は持っていった方がいいよとアドバイスする立場にいます。

あのとき持っていった家族写真は、留学中によく見返した写真としていままた新たな意味を持っています。はじめの留学のあと私はまた海外に出て仕事をしていますが、いま思うのは帰国したらまた新しい家族写真を撮りたいということ。家族写真は1枚だけ撮ったら終わりではなく、特にきっかけがなかったとしても何回撮ってもいいものなのだと思います。家族にこのことを話してみたら同じ反応が返ってきました。また機会を作っては家族写真を撮りたいね、とみんなで話しています。

家族写真・ペットと家族写真撮影は福岡市フォトスタジオ
原田写真館(香椎参道通り)

原田写真館 福岡市東区香椎1-12-6
家族写真HP https://family-haradaphoto.com

原田写真館Since1969 オフィシャルホームページ
https://www.harada1969.com

(ペットと)家族写真 フォトギャラリー
https://family-haradaphoto.com/work/

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